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ずぼら人間のブログ.技術系ブログにしたかった何か

夏が好きだというだけの話

 

おもむろに書き始めるが

私は結構夏が好きだ.今年は特に気温が尋常じゃなく高く全国的におかしなことになっているが,それを差し引いて夏が好きだ.

 

昔から夏には結構いい思い出がある.大抵夏は良い季節だ.夏休みがある時期でもあったし.

 

夏には遠くに行きたくなる空気のようなものがある.自転車で遠出するのが好きだったが,それは大抵夏だった.それは夏休みがあり自転車を乗るには一番丁度いい季節だからということあるだろうけど.

 

夏はまず雲がいい.子どものようなことを書くが,私は雲の上を歩きたい.いや,歩けないのは知っている.理科はそこそこ得意だったから心配しなくていい.

でも歩きたいと思わせてくる.夏の雲というやつは.なんせ十分なボリューム感と弾力感を感じられる.近づけば文字通り夢も雲そのものも霧のようになってしまうだろうけど,あれは歩きたくなる.太陽の光があたって綺麗な白色を放っているのもいい.あの白と弾力感で完璧に歩きたい物質No.1だ.

 

そして景色もいい.この辺は森林や畑の多い土地に行くと余計感じる.ぼくの夏休みのやりすぎかもしれないが,そもそも森林や畑の多い土地で18年も生きたのだからむしろそっちの方がリアルに近い.

夏の日差しを浴びたあの田舎風景というやつは,本当に心が躍る.血がわずかに滾って,途方もない感動をいつも覚える.エネルギーが違う.冬のそれとは秘めてるエネルギーがずっと多い,気がする.生い茂る緑and緑,そこら中から聞こえる蝉の声.生命が息づいているなと感じるのが好きだ.夏の景色は良い.

でもここ数年は全然ミンミンゼミを聞いてないので少し寂しい.絶滅したんじゃないだろうか.昔は良く聞いていて,あれを聞くと「夏が来たな」って気分にさせられた.アブラゼミの声も嫌いじゃないけど.ヒグラシも良い.夏の夕方のセンチメンタルな綺麗さも捨てがたい.

 

そして夏はやたらと開放的な気がする.薄着なのもその一助となっているかもしれない.私は薄着が好きだ.というか家では裸族なのだ.基本的に衣服を身にまとうより全裸の方が好きなのだ.もちろん家の中だけだ.私はこれでもこの日本社会で生きて今年で26年目なので,それなりに大丈夫なのだ.

冬でもたまに全裸になるけど寒くてやってられないのでやはり夏が良い.

 

そして私は海よりも山派である.田舎の山や森林の中なんて大して人もいない(というか街の中にもそんなにいない)ので,まるでその景色や世界を独り占めしているような気になる.そしてあの夏の景色である.木々の葉に日光が遮られる中風の通り抜ける清涼感,そこら中に漂う土のにおい,僅かに差し込む光,枯れ草や枝を踏みしめる感触.思い出すだけでも田舎に帰りたくなる.

 

私は地元の河川敷の景色が好きだ.川向うに見える小高い丘(というか山),足元にこじんまりと広がる誰かの家の畑,遠くに見える高校,その手前の2本の橋.後ろに続く日陰が涼しい並木道.夏に見るあの河川敷からの眺めが,ある意味私の原風景かもしれない.

 

比較的夏が短い土地に育った.ぱっと暑くなってサッと涼しくなりダラダラと長い冬が続く.下手すると,特に日中ずっと日陰のところには4月くらいまで雪が残っていて大抵寒い.だから余計に夏が恋しい.年中夏はまだかと思っている.

 

そして夏は思い出の中にあっても良い.思い出の中の夏というのは,本当に綺麗で純粋で愛おしい.それは思い出だからだ.どんな出来事も時間の流れに晒されて,まるで岩石が滑らかになるように記憶はどんどん綺麗になる.10年も経てば,大抵のことは良い思い出になってくれる.あの美しい景色が思い出の中でどんどん儚くきれいなものになっていく.この速度は冬の倍くらい早い.

 

夏は良い.ずっと夏でも困るだろうが,景色の良いなるべく夏が長い土地に住みたいものだ.